2012年10月09日
ジュニア指導における「やってはいけない」
*少し内容を分かりやすく書き換えてあります。興味のある方はご参考下さい。
今月のNSCAジャーナルです。

面白いなあ、と思った記事
・ジュニア指導における「やってはいけない」
柴田真志(NSCAジャパン副理事長、兵庫県大学教授)
これから始まる連載開始に際しての筆者の思いが中心に掲載されていました。
文面にもありましたが、ジュニア指導において推奨されることは多数あるのですが、
「やってはいけないこと」に焦点を当てるものは、確かに少ないですね。
しかしながら、絶対的にダメというわけではなく、
「指導者自身が、自分の指導論について一旦立ち止まって再考していただきたい」と
成長期における運動指導の在り方について、
決して否定的な意見ではなく、
新たな ”発想” を与えてくれる機会・・・となることを願ってのことのようです。
まず、いわれて久しいのが
「成長期ゆえに、成長に見合った指導がなされるべき」という点。
しかし、成長・成熟の指標を用いて指導が行われているとはいえない現状・・・
そこで用いられる一つの指標として、
PHV年齢(=Peak Height Velocity Age:身長成長速度年齢)があり、
一般的に年当たりの身長増加(身長成長速度)を基準として成長の度合いをみるのですが、
例えば、同じ年齢、同じスポーツをしている3人の身長を小学校1年生からの
通知表に記載されている身長を参考に、変化を比較してみると・・・
結果的には、高校2年生の春には、約175㎝だった。
しかし、身長の変化には、最大となる年齢、PHV年齢が異なるわけです。
つまり、成熟には、「個人差が伴う」ということです。
これは、何を示すか、というと
PHVが早期に達した子供は、同じ年齢でも、未だ達していない同学年生よりも
心肺機能や筋骨格系により発達がみられ、
スポーツパフォーマンスの点で優位である、という可能性が高い。
ゆえに、筆者は、
「小学校中学年から高校2年生までの成長期の子供たちの運動指導に携わる者は、
その個人が発揮しているパフォーマンスが、運動能力差であるのか、単に成熟差であるのか、
注意深く見極める必要がある。」
と伝えています。
では、そのPHV年齢の推定は?ということになるわけですが、
学校で行われている測定値(身長・座高・体重)を以下の数式で算出できるようです。
*男子=-9.236+0.0002708×脚長×座高-0.001663×年齢×脚長+0.007216×年齢×座高+0.02292×体重÷身長
*女子=-9.376+0.0001882×脚長×座高-0.0022×年齢×脚長+0.005841×年齢×座高-0.002658×年齢×体重+0.07693×体重÷身長
この数式で算出した数値を、
お子さんのデータの「年齢」から引き算します。
すると、
恐らく、「この年齢が成長のピークであろう」年齢が、出てきます。
実際グラフも合わせて掲載されていましたが、
年間の発育量(4月の身体測定のデータのみ)を7歳から16歳まで並べてみると、
思春期で急増開始する年齢、PHVが概ねグラフで表示され、
このビジュアル化はわかり易い。
(ちなみに、わが子の1~3年生までのデータを算出すると、推定PHV年齢は13~14歳の間でした。)
筆者は合わせて、
「身長の年間発育発達量は簡単に算出できるので、子供達自身にグラフを描かせ、
自分が発育過程の ”どの位置にいるのか” 認識させてもよい」
とも書かれています。
単に、身長を時系列に並べてグラフにしてみると、最終的には明らかになると思います。
成長速度の異なるジュニア期の選手を指導される方々も
何かしら、このような事実や経験を念頭において指導されていることだと思いますが、
分かっていても、学年を一律に扱って指導せざるを得ないのが
大多数の現状だと思います。
私自身はこの記事を読んで、
「現場とスポーツ科学の融合」の必要性も改めて考えさせられました。
「スポーツ科学」という小難しそうな世界が、より現場に近づき、身近になりつつあるという事実を
体育人として本当に喜ばしく感じます。
ジュニア期の伸び悩む選手達も、そして親御さん、さらには指導者にとっても、
こういう客観的な指標をみることで
「(今は)子供の能力がないから出来ないんじゃなくて、成長段階にあるからだ」
という認識をすることで、
次のステージで能力が開花するかもしれない、子供達自身に勇気を与えるきっかけにもなるんじゃないかな?と(^_^)
日々、子供達の為に
一生懸命指導されている方々にとって、 新たな「発想」となれば・・・
また、筆者同様、 「子どもたちの健やかな成長に資すること」 を
切に願い・・・今後もシリーズ化して情報提供していこうと思います。
今月のNSCAジャーナルです。

面白いなあ、と思った記事
・ジュニア指導における「やってはいけない」
柴田真志(NSCAジャパン副理事長、兵庫県大学教授)
これから始まる連載開始に際しての筆者の思いが中心に掲載されていました。
文面にもありましたが、ジュニア指導において推奨されることは多数あるのですが、
「やってはいけないこと」に焦点を当てるものは、確かに少ないですね。
しかしながら、絶対的にダメというわけではなく、
「指導者自身が、自分の指導論について一旦立ち止まって再考していただきたい」と
成長期における運動指導の在り方について、
決して否定的な意見ではなく、
新たな ”発想” を与えてくれる機会・・・となることを願ってのことのようです。
まず、いわれて久しいのが
「成長期ゆえに、成長に見合った指導がなされるべき」という点。
しかし、成長・成熟の指標を用いて指導が行われているとはいえない現状・・・
そこで用いられる一つの指標として、
PHV年齢(=Peak Height Velocity Age:身長成長速度年齢)があり、
一般的に年当たりの身長増加(身長成長速度)を基準として成長の度合いをみるのですが、
例えば、同じ年齢、同じスポーツをしている3人の身長を小学校1年生からの
通知表に記載されている身長を参考に、変化を比較してみると・・・
結果的には、高校2年生の春には、約175㎝だった。
しかし、身長の変化には、最大となる年齢、PHV年齢が異なるわけです。
つまり、成熟には、「個人差が伴う」ということです。
これは、何を示すか、というと
PHVが早期に達した子供は、同じ年齢でも、未だ達していない同学年生よりも
心肺機能や筋骨格系により発達がみられ、
スポーツパフォーマンスの点で優位である、という可能性が高い。
ゆえに、筆者は、
「小学校中学年から高校2年生までの成長期の子供たちの運動指導に携わる者は、
その個人が発揮しているパフォーマンスが、運動能力差であるのか、単に成熟差であるのか、
注意深く見極める必要がある。」
と伝えています。
では、そのPHV年齢の推定は?ということになるわけですが、
学校で行われている測定値(身長・座高・体重)を以下の数式で算出できるようです。
*男子=-9.236+0.0002708×脚長×座高-0.001663×年齢×脚長+0.007216×年齢×座高+0.02292×体重÷身長
*女子=-9.376+0.0001882×脚長×座高-0.0022×年齢×脚長+0.005841×年齢×座高-0.002658×年齢×体重+0.07693×体重÷身長
この数式で算出した数値を、
お子さんのデータの「年齢」から引き算します。
すると、
恐らく、「この年齢が成長のピークであろう」年齢が、出てきます。
実際グラフも合わせて掲載されていましたが、
年間の発育量(4月の身体測定のデータのみ)を7歳から16歳まで並べてみると、
思春期で急増開始する年齢、PHVが概ねグラフで表示され、
このビジュアル化はわかり易い。
(ちなみに、わが子の1~3年生までのデータを算出すると、推定PHV年齢は13~14歳の間でした。)
筆者は合わせて、
「身長の年間発育発達量は簡単に算出できるので、子供達自身にグラフを描かせ、
自分が発育過程の ”どの位置にいるのか” 認識させてもよい」
とも書かれています。
単に、身長を時系列に並べてグラフにしてみると、最終的には明らかになると思います。
成長速度の異なるジュニア期の選手を指導される方々も
何かしら、このような事実や経験を念頭において指導されていることだと思いますが、
分かっていても、学年を一律に扱って指導せざるを得ないのが
大多数の現状だと思います。
私自身はこの記事を読んで、
「現場とスポーツ科学の融合」の必要性も改めて考えさせられました。
「スポーツ科学」という小難しそうな世界が、より現場に近づき、身近になりつつあるという事実を
体育人として本当に喜ばしく感じます。
ジュニア期の伸び悩む選手達も、そして親御さん、さらには指導者にとっても、
こういう客観的な指標をみることで
「(今は)子供の能力がないから出来ないんじゃなくて、成長段階にあるからだ」
という認識をすることで、
次のステージで能力が開花するかもしれない、子供達自身に勇気を与えるきっかけにもなるんじゃないかな?と(^_^)
日々、子供達の為に
一生懸命指導されている方々にとって、 新たな「発想」となれば・・・
また、筆者同様、 「子どもたちの健やかな成長に資すること」 を
切に願い・・・今後もシリーズ化して情報提供していこうと思います。