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2015年05月25日

自分の身は、自分で守る

昨日、資格の継続研修を鹿児島で受けてきました。

日本赤十字社の救急法救急員の資格です。
この資格を初めて取得したのは、おそらく2000年。

日赤の資格は3年間有効。奇しくも更新は5回目、ということになります。
確か、この年のNSCA-CPT(NSCA公認パーソナルトレーナー)の受験をするのにCPR(心肺蘇生法)の資格保持が必須で、
受講したのがきっかけだと思います。

ここ数年で、継続研修が資格有効期間内ならば1日で終わるシステムになったため、
今回も、1日でめでたく資格を更新することができました。


トレーナーだから、という理由でこの資格を保持してきましたが、
最近の大災害や、先日の地震のことを思うと、
スポーツ現場だけでなく、もしかしたら自然災害などでも必要とされる知識なのでは?と
今回受講しながら思いました。

鹿児島県は、今年度から防災強化県として今後、学校関係で防災についての勉強会が行われる、と
指導員の方が言われていました。
火山や地震が多いからです。

そこで
「自助」「共助」「公助」
という言葉を掲げられていました。

東北の災害で、亡くなられた方の90%は即死だったといいます。
うち、生き残られた方の95%は「自助」と「共助」で生き延びられたとそうです。
自力でどうにか乗り切るか、周りの協力を得られて生き延びることができた。
「公助」、つまり消防や自衛隊など国の助けで生きられた方はたった5%。

県や国の助けを待っていたのでは、遅い、というデータが最近ようやく上がってきた、とのこと。


どういうことを意味するのか?

要するに、災害発生時は、「自分の身は、自分で守る」という事、だそうです。


それは、こういう知識を身につけておくことかもしれないし、
過信せず、早めに避難することかもしれないし、
日頃から体力をつけておくことかもしれないし、

その時が起こらないとわからないことなのかもしれないのですが、

「災害に対する意識を、もっと各自がもっておく」ということは今すぐできることなのかもしれません。


スポーツの現場についても、同様のことを思います。

ケガが起きない方がいい、予防が完璧にできれば問題ないのですが、
まず、絶対起こらないということは、ありえません。
スポーツ現場は、「ケガも起こりうる」ということを前提として、
大人は最低限の知識と技術を持っておくべきだと、
私は講習会の場で訴えます。

ケガや痛みに関しても、
必ず、痛みがひどくなる前には「サイン」が出ます。
疲れて、身体が疲労している状態でも「サイン」が出ます。

日頃から、その「サイン」に気づけるかどうかもやはり大事。

でも、その「サイン」に気づいても、訴えることができない環境、
頼る場所がわからないという現状は
日本のスポーツ界の、まだまだ大きな問題です。

でも、ケガの予防に対する意識を日頃から持っておけるかどうかで、
やはり選択肢は準備できるのではないでしょうか?


「自分の身は、自分で守る」

「生きる力」じゃないですけど、
やはり、スポーツ選手もスポーツが出来るだけでなく、
きちんと自己管理できる選手に育ててあげたいと思います。

  


2015年05月21日

競技力向上とケガ

ジュニア選手の痛みに関して、時々ご相談受けることがあります。

「捻った記憶はないけれど、練習後に足首が痛む」

「捻挫してアイシングをしたけれど、それからどうしてあげたらいいのか?」

「腰痛があるのだが、成長期の子供は整骨院などに連れて行ってもいいのか?」

「病院に連れて行った方がいいのか?整骨院などがいいのか?」



我が子が、痛みを訴える。
ささいな疑問でも、いざとなると、不安に感じたり、どう対応してあげたらいいのか、
何を選択したらいいのかわからない。

親としては、悩むところですよね。


私も、小学生の頃から、痛みを訴えて親を悩ませていた一人です。

中学生に至っては、腰痛で悩まされ、

高校でとうとう、ヘルニアの診断で入院。


なぜ、痛みが出たのかわからないけど、痛いと訴える。
「いい」と聞けば、母は私を治療に連れて行ってくれました。

今考えると・・・本当に親に迷惑かけてきたなあ・・・という思いです。


昨日は、以前からご相談を受けていたジュニア選手のもとを尋ねました。

診断は、「腰椎分離症」。いわゆる腰の骨に骨折の形跡がみられる
成長期特有のスポーツ障害の一つです。


ご連絡いただいたのは、その選手を指導されている先生から。
先生自身も、ネットで調べたり、整形外科での診断と指示に従われながら・・・

でも、「どうしたらいいのか、自分では対応できない」という判断でご相談いただいていました。

安静期間を経て、痛みもほぼ解消されていたようなので、

動作の確認をしながら、原因をみつけて、選手本人が出来る事を一緒にやってみました。


観ていて、怖かったかもしれませんね・・・今まで安静にしていた子がストレッチングでかなり身体を動かしていたので。。


でも、そのレベルで身体を動かせないと、競技でかかる負担はもっとですから・・・
痛みなく、自分のカラダをコントロールできることが大前提です。


ですが、本人も先生も「どこまで動かしていいのかわからない怖さ」があります。
ここが、競技復帰のむずかしさです。
私も、昨日の指導だけで、本人に伝わっているとは思わないし、
これから長い目で動作の確認をしていかないと、再発の可能性もあります。

どこまでそのことをお伝えできたかわかりませんが・・・
せっかくのご縁なので、遠慮なく呼んでもらえたらいいなと思います。

先生が呟かれた一言が心に響きました。
「いい能力を持った選手だと思うんですよ、でも私が焦っていたのでしょうね、こんな事になってしまって本当に申し訳なくて。」

素直な思いを、伝えて頂いて
競技力向上と健康のバランスの難しさを改めて感じます。

その為に、私達トレーナーという役割がいるのですが、まだまだそのように認識して頂くには活動や実績が足りないのでしょうね。。。黒子の立場なので決して目立ちはしないのですが、担う役割は大きいです。

どう、認識を広めようかなぁ…

地道にコツコツ、やるしかないですね!


  


2015年05月11日

柔軟性と筋力のバランス

深く選手のカラダと付き合っていくと、最終的にはこの問題は非常に重要です。

「身体が硬いとケガをしやすい」

何をもって「硬い」とするか・・・ですが、
股関節の可動域が狭い、もしくは上手な股関節の動かし方を身体が知らない人は確かに痛みが出てきやすいです。

硬くても、適度な運動量ならば、問題はありませんが
無理がたたって、あちこちに痛みを抱える選手は少なくありません。

ですが、関節の硬さは筋力不足を補う「安定性」の確保の役割も果たします。
逆に関節の柔らかい人は、「安定性」が欠けるので、筋力がないと身体の負担も大きくなります。


つまり、身体が硬いから・・・といってストレッチングばかりやって柔軟性を高めすぎても
もともと備わっている筋力がなければ、「力が入らない」状態が起きる可能性があります。

とはいえ、一般的なストレッチングでは急激に柔軟性が高くなることはまずありません。


日々の積み重ねで可動域を高めながら、技術練習の幅を広げて、めいいっぱい身体を使う。
その刺激が、筋力強化にも繋がり、最終的にバランスよく柔軟性と筋力が高められるのかもしれません。


GW4日間、チーム帯同して選手のカラダの変化をみてきました。
ホント、人は「生もの」です。負荷のかかり方でどんどん変化していきます。

ですが、日々の積み重ね、トレーニングの効果は、少々のことでは崩れません。


周りの評価と、選手の評価と、自分の観る目がきちんと一致するような仕事は当たり前で
さらに、その先選手を、どのように成長させられるか布石を置けるような仕事が出来るように

精進していきたいと思うところです。