2012年12月10日
ジュニア指導における「やってはいけない」Part2
NSCAジャーナル12月号の特集からの情報です。
「単なる早期専門化をやってはいけない」 葛原 憲治(CSCS,愛知東邦大学教授)
これはスポーツ指導者のみならず、親としても考えさせられる内容でした。
あくまで、この連載のコンセプトは ジュニア指導者に対しての「完全否定」的な見方ではなく、
『 日々子供達へのスポーツ指導について、改めて考えてみよう 』
というもので、あえて 「やってはいけないシリーズ」 として立ち上げられています。
子供達のスポーツ環境をよりよくする発想の一つとして、
この情報を共有したいと考えます。
本文は長いので、
あくまで私の視点で、情報提供させていただきます。
(私の視点でまとめても、長いので・・・興味のない方は・・・今回はごめんなさい。)
今、日本のスポーツ界、特にロンドンオリンピックをはじめ、国際大会での女子スポーツ選手の躍進が目覚ましく、このような選手が
「小さい頃から、その競技に取り組んでいた」
というエピソードが紹介されるたび、幼い子供を持つ親たちは、自分の子供を早くからその競技に関わらせようとするだろう。
また、親たちが 「 スポーツで成し得なかった夢を、自分の子供に託す 」 意味で、
早期にその競技に関わらせる場合もある。
日本においても、特に、野球やサッカーで小学校低学年から、スポーツ専門化現象が強いことは
よく知られている。
はたして、それがどのような影響を子供たちの一生涯に及ぼすのか・・・
ここで、筆者は、「発達モデルを基礎として、エリートレベルに到達する2つの方法」を
挙げています。
『 早期専門化 』 と 『 早期多様化 』 という方法です。
前者は、早い時期から専門種目を徹底して練習する方法。
後者は、練習の中で遊びの要素を多く取り入れて練習する方法。
つまり・・・『 早期多様化 』とは、
10~12歳頃の、身長が急増し始める時期では、様々なスポーツ種目を経験し、
12~14歳頃、思春期前、(中学校に入りちょうど部活に専念するのと同じように)
ある特定のスポーツ種目にだんだん絞られてきて、
思春期後半、15~16歳頃、いわゆる身長成長速度(PHV)が下降する時期には
主なスポーツへ集中し、専門化する。
エリート競技者を育成するためには、計画的に行われる練習が10000時間必要だそうです。
競技レベルと練習時間は正の相関があることは明らかなようです。
しかしながら、ある特定のスポーツを幼いころから始めることが、
エリート競技者の育成に必要不可欠である、とは、必ずしも言えないのも現実のようです。
理由として・・・
①スポーツの早期開始と、競技に専門的なトレーニング量の多さが、必ずしも成功に結びつかない
②『 早期専門化 』 は心身の健康を害する結果につながる可能性が指摘されている
③新体操選手についての研究で、オリンピックレベルの選手は、国際大会レベルの選手と比べて健康状態は悪く、競技に取り組む楽しさも低いことが示されている
④若い選手のドロップアウト(逃避)やバーンアウト(燃え尽き症候群)を助長し、オーバーユース障害のリスクも高くなる
綿密に計画された練習が、高い競技レベルを身に付けるには必要であるが、
上記の理由から 「アスリートの成功」のために、『 早期専門化 』が最善であるとは
必ずしも言えないようです。
また、『 早期多様化 』に適している種目とそうでない種目もあるようです。
例えば、ピークパフォーマンスが成長期終了前の女子器械体操やフィギュアスケートなどのスポーツは、『 早期多様化 』による効果は得られない、と指摘されています。
『 早期多様化 』に適している種目は、ホッケー、バスケットボール、バレーボール、野球、テニス、トライアスロン、ボート競技など。
また距離や重量、タイムを競うスポーツ(自転車、ヨット、スキー、水泳、陸上競技など)は専門化を遅くした方がより利点がある事も指摘されています。
米国小児科学学会によると
『 早期多様化 』や思春期到達後に専門化した選手は、ケガのリスクが少なく、『 早期専門化 』の選手より長く競技に携わっている、事が示されているそうです。
したがって、
スポーツ競技における、適切な道筋として、
トレーニング量だけでなく、いつから主なスポーツに関わるトレーニングを開始すればよいか・・・
結論として、これがアスリートを安全に育てるポイントのようです。
歴年齢はあくまで目安であり、
それぞれの子供のPHV(最大身長成長速度)を用いて判断することが勧められます。
最後に、こんなことも記載されていました。
『スポーツの早期多様化は、仲間との積極的な人間関係やリーダーシップを促進することができる』
「スポーツ」の素晴らしさって、こういうところに人々は一番魅かれるのかもしれませんね。
指導する子供達へ、またスポーツを通して頑張る我が子へ望むものは何でしょう?
大人として、親として何が出来るのか?
私自身も、改めて子供との関わり方を考えてみたいと思います。
「単なる早期専門化をやってはいけない」 葛原 憲治(CSCS,愛知東邦大学教授)
これはスポーツ指導者のみならず、親としても考えさせられる内容でした。
あくまで、この連載のコンセプトは ジュニア指導者に対しての「完全否定」的な見方ではなく、
『 日々子供達へのスポーツ指導について、改めて考えてみよう 』
というもので、あえて 「やってはいけないシリーズ」 として立ち上げられています。
子供達のスポーツ環境をよりよくする発想の一つとして、
この情報を共有したいと考えます。
本文は長いので、
あくまで私の視点で、情報提供させていただきます。
(私の視点でまとめても、長いので・・・興味のない方は・・・今回はごめんなさい。)
今、日本のスポーツ界、特にロンドンオリンピックをはじめ、国際大会での女子スポーツ選手の躍進が目覚ましく、このような選手が
「小さい頃から、その競技に取り組んでいた」
というエピソードが紹介されるたび、幼い子供を持つ親たちは、自分の子供を早くからその競技に関わらせようとするだろう。
また、親たちが 「 スポーツで成し得なかった夢を、自分の子供に託す 」 意味で、
早期にその競技に関わらせる場合もある。
日本においても、特に、野球やサッカーで小学校低学年から、スポーツ専門化現象が強いことは
よく知られている。
はたして、それがどのような影響を子供たちの一生涯に及ぼすのか・・・
ここで、筆者は、「発達モデルを基礎として、エリートレベルに到達する2つの方法」を
挙げています。
『 早期専門化 』 と 『 早期多様化 』 という方法です。
前者は、早い時期から専門種目を徹底して練習する方法。
後者は、練習の中で遊びの要素を多く取り入れて練習する方法。
つまり・・・『 早期多様化 』とは、
10~12歳頃の、身長が急増し始める時期では、様々なスポーツ種目を経験し、
12~14歳頃、思春期前、(中学校に入りちょうど部活に専念するのと同じように)
ある特定のスポーツ種目にだんだん絞られてきて、
思春期後半、15~16歳頃、いわゆる身長成長速度(PHV)が下降する時期には
主なスポーツへ集中し、専門化する。
エリート競技者を育成するためには、計画的に行われる練習が10000時間必要だそうです。
競技レベルと練習時間は正の相関があることは明らかなようです。
しかしながら、ある特定のスポーツを幼いころから始めることが、
エリート競技者の育成に必要不可欠である、とは、必ずしも言えないのも現実のようです。
理由として・・・
①スポーツの早期開始と、競技に専門的なトレーニング量の多さが、必ずしも成功に結びつかない
②『 早期専門化 』 は心身の健康を害する結果につながる可能性が指摘されている
③新体操選手についての研究で、オリンピックレベルの選手は、国際大会レベルの選手と比べて健康状態は悪く、競技に取り組む楽しさも低いことが示されている
④若い選手のドロップアウト(逃避)やバーンアウト(燃え尽き症候群)を助長し、オーバーユース障害のリスクも高くなる
綿密に計画された練習が、高い競技レベルを身に付けるには必要であるが、
上記の理由から 「アスリートの成功」のために、『 早期専門化 』が最善であるとは
必ずしも言えないようです。
また、『 早期多様化 』に適している種目とそうでない種目もあるようです。
例えば、ピークパフォーマンスが成長期終了前の女子器械体操やフィギュアスケートなどのスポーツは、『 早期多様化 』による効果は得られない、と指摘されています。
『 早期多様化 』に適している種目は、ホッケー、バスケットボール、バレーボール、野球、テニス、トライアスロン、ボート競技など。
また距離や重量、タイムを競うスポーツ(自転車、ヨット、スキー、水泳、陸上競技など)は専門化を遅くした方がより利点がある事も指摘されています。
米国小児科学学会によると
『 早期多様化 』や思春期到達後に専門化した選手は、ケガのリスクが少なく、『 早期専門化 』の選手より長く競技に携わっている、事が示されているそうです。
したがって、
スポーツ競技における、適切な道筋として、
トレーニング量だけでなく、いつから主なスポーツに関わるトレーニングを開始すればよいか・・・
結論として、これがアスリートを安全に育てるポイントのようです。
歴年齢はあくまで目安であり、
それぞれの子供のPHV(最大身長成長速度)を用いて判断することが勧められます。
最後に、こんなことも記載されていました。
『スポーツの早期多様化は、仲間との積極的な人間関係やリーダーシップを促進することができる』
「スポーツ」の素晴らしさって、こういうところに人々は一番魅かれるのかもしれませんね。
指導する子供達へ、またスポーツを通して頑張る我が子へ望むものは何でしょう?
大人として、親として何が出来るのか?
私自身も、改めて子供との関わり方を考えてみたいと思います。